プリント基板の設計・製造・実装に関する
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プリント基板(PCB)の材料不足は、2025年以降さらに深刻さを増しています。背景には大きく3つの要因があります。
生成AI向けサーバーは、従来製品より高多層・高速伝送対応の高機能材料を多く使用します。
そのため基板メーカーの生産能力が高付加価値品に優先的に振り向けられ、一般的な民生機器・産業機器向けの材料が後回しになる状況が生じています。
基板の基材となるガラスクロス、樹脂、銅箔がいずれも不足しています。
特に電子材料用ガラスクロスは、AIサーバー向けの高機能品(Tガラスなど)に生産が集中しており、増産設備の立ち上がりは2027年以降と見込まれています。
2026年4月に発生した中東の石油化学プラントへの攻撃により、プリント基板用積層板の原料となるPPE樹脂(ポリフェニレンエーテル)の供給が困難になりました。
同拠点は高純度PPE樹脂の世界的な主要供給拠点であり、供給停止の影響がPCB材料市場にも波及しています。
上記の要因が重なった結果、2026年上半期にはCCLメーカーによる値上げが相次ぎ、PCB価格についても品種によって最大40%規模の上昇が報告されています。
一般的なFR-4やCEM-3といった標準材は危機的な状況とまではいえないものの、以前は数日で手配できたものが2〜4週間かかるなど、日に日に手配は難しくなっています。
設計変更が難しい量産品ほど影響を受けやすいのが、今回の材料不足の特徴です。指定材料を変更できない案件では「材料を確保している工場を探す」ことが現実的な打ち手になります。
昨今、基板材料の枯渇により材料の入手が困難な状況が続いています。プリント基板製造工場が基板材料を手配しても、材料メーカーから納期回答が得られず、プリント基板の納期が見通せない状況になっています。
ご相談いただいたお客様の自社製品では、使用するプリント基板の材料が指定(パナソニック製 CEM-3材)されていました。
本材料は特に需要の多い材料であったため納期がまったく見えず、自社製品の生産計画に遅れが生じる恐れがありました。
なおかつ、量産品に使用する基板のため材料を変更することは難しく、指定材料の調達が必須という状況でした。
弊社が提携している200社以上の協力会社の中から、次の条件に該当する基板製造会社を選定しました。
・CEM-3材の在庫を保有している
・納期・数量ともに問題なく対応できる
・材料メーカーとのつながりが強い
条件に該当した会社にて、基板の製造を行いました。
このように基板製造会社を選定するケースでは、お客様から基板仕様(材料、板厚、外形、層数、表面処理、銅箔厚、設計仕様、データ、UL、数量、納期など)について入念にヒアリングを行い、条件に最もマッチする会社を選定しています。
弊社はファブレス企業として多くのプリント基板製造工場と提携しており「各社がどのメーカーとつながりが強いか」「どの材料を確保していそうか」といった会社ごとの特色を把握しています。そのため、本事例のような材料不足の問題にも柔軟に対応し、解決に貢献することができました。
お客様が従来依頼していた工場とは別の工場への依頼となったため、新たに基板イニシャル費※が発生しましたが、製品の生産計画に間に合う日程でプリント基板を入手いただくことができました。
プリント基板以外の部材はすでに入手済みであったため、基板が入手できなければ製品の生産・販売ができず、仕掛品が増えてキャッシュフローを圧迫するところでした。本事例の対応により、お客様の不利益を未然に防ぐことができました。
※基板イニシャル費とは
プリント基板の製作時に必要となる初期費用です。基板メーカーによって異なりますが、主に次のものが挙げられます。
・データ編集費(CAM編集)
・フィルム作製費
・シルク及びレジスト版作製費
・NCデータ作成費
・ルーターデータ作成費
・導通検査データ作成費
・テストクーポン測定費用 ※インピーダンスコントロール測定のときのみ
基板イニシャル費はリピート作製時には基本的に発生しません。ただし、パターンやシルク等の仕様変更がある場合、または一定期間内に作製実績がなく再度依頼する場合は発生します。